スウェーデンで2本目のニッケルハルパ!

今年は5月21日にスウェーデンへと出発し、5月23日からウップランド地方、オルビフュスに住むエスビョン・ホグマークの元で、ニッケルハルパ制作の修行を開始しました。
エスビョンは最高峰のニッケルハルパ製作者として知られています。
彼の作る楽器は本当に特別で、多くのニッケルハルパ奏者から慕われていて、毎日のように世界中からゲストが訪問します。
僕が到着した翌日にはなんと、あのウーロフ・ヨハンソンが訪ねてきました。
なんでも自作のニッケルハルパが完成したとのことで、エスビョンに見せにきた模様。
せっかくなので僕も弾かせて貰いましたが、素晴らしいサウンドでしたよ。

新作のニッケルハルパを弾くウーロフ(左)と、エスビョン(右)

次の日からも、ダビッド・エリクソンやダニエル・ペッテルソンなど日替わりで一流の音楽家達が訪ねて来てメンテしてもらったり、セッションをしたりしてとても刺激的な毎日です。

さて肝心のビルディングの方ですが、毎日朝の9時から深夜0時頃まで、休みなしで作業が続きます。
土日も休むことなく、制作のみのストイックな日々。
昨年に古いタイプのニッケルハルパ(コントラバスハルパ)を制作した経験があるので、ある程度の流れは理解できてますが、まだまだ技術が追いつかず、小傷が絶えない毎日。
それから色んな段階でコントラバスハルパとは異なった作り方をするので、とても勉強になります。
ドイツから来たプロのニッケルハルパビルダーの女性と一緒に制作をしているのですが、自分の作り方と全然違うと言って、スウェディッシュスタイルのビルディングをマスターしようと頑張っています。

このニッケルハルパですが、ヨーロッパでは4ロウスタイルが主流で、スウェーデンタイプの3ロウはあまり需要がないとの事。(*ロウとは鍵盤の段の事→3段、4段)
彼女の4ロウの楽器を弾かせてもらったけど、縦列のキーとキーの間隔が狭くて慣れないと弾きにくい感じ。
ダビット・エリクソンとか他の奏者も同じ事言ってました。
同じニッケルハルパなのに、本場スウェーデンとコンチネンタルヨーロッパでは楽器の作りも、好まれるサウンドも、弾き方も違うのがとても興味深い。
スウェーデンを越えて世界に広まり独自の発展をしているニッケルハルパは、現在エスビョン・ホグマークが中心となって、ユネスコの世界無形文化遺産の認定に向けて取り組みを進めており、今年3月にノミネートされました。

次回へとつづく

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